INTERVIEW VOL.02

デッツ松田

編集者
Nov 16th, 2018
蘇った服をまた自分だけの味わいのある1着に。

デッツ松田さんと
ワードローブ トリートメントの付き合い方。

お客さまからお預かりした服、一着ずつと向き合い、その特性に合わせたメンテナンスを行う「ワードローブ トリートメント(WARDROBE TREATMENT)」。
一般的なクリーニングサービスとは一線を画し、“トリートメント”としてメンテナンスを行うことで、まるで新品を手にしたときのような感動を蘇らせます。
第二回は名だたるファッション誌で活躍したのち、現在はメンズ誌「OUTSTANDING」の編集長をつとめる
デッツ松田さんに「ワードローブ トリートメント」のサービスを受けてもらいました。
仕上がりの感想と合わせて、日本のストリートファッションシーンを牽引してきたデッツさん流の服とのつきあい方なども伺いました。

Text: Meika Oshima / Photo: Hiroyo Kai / Edit: Masaya Umiyama

汚れを落とすだけじゃない、
服が蘇るような感覚。

普段からクリーニングサービスはよく利用されますか?

デッツ松田:そこまで頻繁には使わないんだよね。当然スーツやシャツはクリーニングに出すけど、あんまり良い服は出したことないかも。だからこれまでクリーニングで大きな失敗もないし、逆に大満足もない。スーツでもニットでも、まぁこんなもんかって。そもそもよく行く近所のクリーニング店だと革ジャンとか、特に今回お願いしたような部分的にニットが使われてるようなものだと断られちゃうし。

今回の仕上がりをご覧になっていかがでしょうか?

デッツ松田:見違えちゃって、びっくりしました。スリーピースは集荷に来てもらう前日に結婚式で着用して、パンツの縫い目が解れちゃって急遽追加でお願いしたんだけど、もちろん解れはきれいに直ってるし、ジャケットも新品みたいにきれいになって返ってきました。

レザージャケットはどうでしょうか。

デッツ松田:これはニットの部分もそうだし、襟ぐりのところも相当汚れてたけどすっかりきれいになって、色抜けしちゃってた部分も補色されててどこが変色してたかもわからない。洗うだけじゃなくてこういう補色とかまでケアしてくれると本当に蘇りますね。

前面に変色している部分があり、衿の内側と袖のリブ部分の汚れが目立っていた革ジャケット。まずはドライクリーニングで全体の汚れと、衿ぐり・袖リブの強い汚れを除去。変色があった箇所には色合わせをした薄めの色を繰り返し乗せていくことで自然な仕上がりに。

ムートンジャケットは今回一番のツワモノだったようです。

デッツ松田:20年間一度も洗ってないからね。特に袖は黒ずみがひどかったけどきれいになってるし、ムートンの風合いはきちんと保たれてるし、これはもうすごいの一言。

カジュアルな服でもケアが難しいアイテムはたくさんありますね。

デッツ松田:実は結構あるんだよね。こんな風に仕上げてもらえるならお願いしたいものがいっぱいあるけど、パッと思いつくものだと40年前のスタジャンかな。メルトンボディでアームがレザーになっててもうボロボロなの。「ワードローブ トリートメント」にお願いしたらどこまで若返ってくるか楽しみだね。あと服以外でいえば革靴とかバッグなんかもゴロゴロしてるから試してみたいかな。ブーツがどこまできれいになるかとか、興味ありますね。

アウトドア系のアイテムなどはいかがでしょうか。

デッツ松田:ゴアテックスなんかのハイテク系素材の場合そこまで汚れることはないんだけど、汚れてしまったら最近は自分で自然派洗剤を買ってきて洗ってますね。ダウンジャケットとかもそうだけど、そのあたりのアイテムもしっかり洗ってもらえるのはいいね。

長年の着用によるくすみや黒ずみなど、かなりのダメージがみられたムートンジャケットは、風合いを損なわないよう配慮しながら手作業にて表面をブラッシング。汚れを落とした後に全体に補色をおこなったことで色が冴え、20年前に近い状態まで蘇った。

汚れや痛みも“味”だから
セルフケアは一切なし。

一般的に洗えない服の場合、ご自宅でのケアはどうされていますか?

デッツ松田:革なんかだとクリーム塗ったりする人もいるけど、僕の場合は汚れや痛みもすべてが“味”だと思ってるからよほどの事がない限りセルフケアは一切しません。

今回はその“味”がほぼ消えてきれいになってしまいましたが。

デッツ松田:これはもう、また楽しめるなって感じ。一度リセットしてもらったから、またたくさん着て“味”出して、今度はどんな風になっていくのか考えると楽しみだよね。

もう一度新品のように“味付け”ができる、と。

デッツ松田:服はガンガン着て駄目になってしまったら諦めるっていうのが僕のスタンスなんだけど、これだけきれいにしてもらえるとまた違った楽しみがあるんだなっていう初めての感覚ですね。

変わらない自分の定番と
トレンドとのつきあい方

何十年も前のアイテムでも変わらず愛用されていることが多いですか?

デッツ松田:もの持ちは良い方なんで、かなり昔に買ったものも未だに着てますよ。今回の革ジャンとかムートンジャケットもそうだけど、毎年着てるってわけではなくて、その年の気分でね。その年気に入ればずっと着ちゃうし、何年も着ないで眠らせてることもある。

服を長く着るためにご自身で工夫されていることはありますか?

デッツ松田:特に心がけとかもなくて、繰り返しになっちゃうけど本当にセルフケアも一切しない。しいて言えば、気に入ったら同じような服を何着か持っておいてそれらをローテーションで着るっていうくらいかな。だからほぼ一緒じゃん、みたいな服がたくさんあります。

流行に関係なくご自身の好きなものを選べば長く着られる、ということでしょうか?

デッツ松田:基本的な部分は変わってないからね。もちろん年齢や時代とともにマイナーチェンジしている部分はあるけど、昔から自分の中の定番は変わらない。だけどやっぱりどこかにちょっとトレンドも取り入れてるかな。インナーにしたTシャツのプリントが今っぽいとか。アパレルブランドのアドバイザー的なことをする時も同じようなことが言えるんだけど、定番のアイテムの中にいかにしてトレンドを落とし込むかっていう考え方ですね。

スーツが持つ個性をしっかりと捉え、デザイン・シルエット・風合いを限りなく新品の状態に近づけるためのケアを施すのが「ワードローブ トリートメント」のこだわり。ほつれ等の修理はもちろん、目に見えない汚れは汗抜き処理をおこない服が持つ美しさを蘇らせる。メーカーと共同開発した「シルエット復元立体プレス機」を使用したラペルは、ふんわりとロールしVラインに立体感のある美しい仕上がりに。

PROFILE

デッツ松田(DETZ MATSUDA)
編集者
三重県伊勢市生まれ。数々のメンズ誌で活躍し、90年代に巻き起こった裏原宿というムーブメントにおいては、その渦中から編集者として発信しそのブームを後押しした。現在は編集プロダクションdoubteverythingの代表を務め、雑誌「OUTSTANDING」の編集長でもある。

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